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私の趣味は、合氣道です。
合氣道を始めたのは私が25歳の頃ですが、合氣道を始めたそもそものきっかけは、祖母から勧められたからでした。当時祖母は80歳を越えておりましたが、大阪で合氣道の道場に通っていました。
当時、私は早稲田大学を卒業した後も親元で暮らしながら、司法試験の勉強に打ち込んでいました。当時の司法試験は、不合格の場合、どの程度の成績で落ちたのかをある程度知ることができましたが、あと一歩というところで不合格となる年が数年続いていました。私は、どうすれば他の受験生と差をつけることができるかを模索しながら、勉強する日々を送っていました。
そのような頃、なかなか試験に受からない私を見かね、祖母が、「成功の秘訣は氣にあり」(藤平光一著)という本を贈ってくれたのでした。この本は、心身統一合氣道という流派の宗主が氣の原理について書かれたものでした。私はこの本を読んで大変な感銘を受け、直ぐに、書籍の発行元に問い合わせて、近くにある合氣道の道場を教えて頂きました。そして、直ぐにその道場に入会したのでした。
合氣道には様々な教えがありますが、最も重要な教えの1つに、「争わざるの理」という教えがあります。
「争わざるの理」 : 絶対的天地に争いはなく、相対的世界にのみ争いは生ず。
我れ、心身を統一して天地と一体となり、天地の理を実行するならば、人自ら我れに従う。
生存競争、弱肉強食という勿れ。真の成功の道は、争わざるの理、即ち、平和への道と全く同一の道である。
私は、合氣道の教えを学ぶうちに、それまでの私の勉強方法が間違っていたことに氣が付きました。司法試験は合格率3%前後という最難関の試験であり、多くの受験生は、如何に人より秀でた答案を書くかに心血を注いでいましたが、司法試験も人が問題を作っている以上、問題の作り手のことを考えて回答を行なうべきであり、他の受験生と争う必要などはじめからなかったのでした。
そして、私は、合氣道を始めた翌年の司法試験に合格しました。
その後、弁護士になり、当事務所で働くようになりましたが、合氣道の道場通いは変わらずに続けています。先日は昇段審査を受ける機会を与えられ、弐段に昇段することもできました。
もちろん、「争わざるの理」は、弁護士の仕事をする上でもとても有効な考え方の1つです。一見矛盾するようですが、常に争いの渦中に身を置いている弁護士でさえ、「争わざるの理」なくして、成功することはありえないのです。
私に合氣道を勧めてくれた祖母は既に他界しましたが、私に貴重な教えを遺していってくれたのでした。
文責 弁護士 佐々木
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